こんにちは、杉崎(@sugizaki_web)です。
あなたの町に、太陽光パネルはどれほど設置されてますか?
僕が住んでいる群馬県長野原町では、ふと目を上げると、山の斜面や使われなくなった農地がパネルで覆われている光景をよく目にします。
ここ数年で、明らかに「増えたな」という印象です。
再生可能エネルギーという言葉には、どこか素敵な響きがありますが、現実の山肌に並ぶ重厚なパネル群を見ていると、どうしても「20年後、30年後にどうなるんだろう?」という点が気になって仕方なくて。
誰が片付けるのか。
お金は誰が払うのか。
そのとき、設置した業者はこの世(あるいは登記簿上)に存在しているのか。
今日は、太陽光パネルが抱える光と影について、深掘りしていきたいと思います。
積立義務化という名の希望と、拭えない不安
まず、前提となるルールの話をしましょう。
国もようやく、重い腰を上げ、改正再エネ特措法によってパネルの廃棄費用の積み立てが実質的に義務化されました。
これは、売電収入からあらかじめ解体費用を天引きするような仕組みです。
いわば、撤去のための強制積立制度がスタートしたわけですね。
2024年4月以降、10kW以上の全ての事業用太陽光発電に対し、電力広域的運営推進機関(OCCTO)への強制的な外部積立が求められるようになりました。
積み立てを無視すれば、売電そのものを差し止めるという厳しいルール。
ですが、撤去費用が貯まりきる前に運営会社が倒産してしまったら話は別です。
会社という看板を下ろしてしまえば、法的な責任の追及は極めて困難になります。
20年後の未来、山肌に残された持ち主不明の太陽光パネルが、私たちの子供たちの世代にとっての巨大な負債になる可能性は、今この瞬間も消えていないのです。
制度があっても拭えない3つのリスク
繰り返しになりますが「積立金があるから大丈夫」という理屈は、実は非常に危うくて。
なぜなら、国が義務化した積立金は、あくまで寿命が来たパネルを解体し、処分場へ運ぶための最低限の費用でしかないからです。
長野原町のような、傾斜地が多く、冬には厳しい雪が降る地域において注視しなければならないのは、以下の3つのリスクです。
① 災害時の復旧費用という想定外の請求書
国が積み立てを求めているのは、あくまで「寿命が来たパネルの解体費用」です。
台風や大雪で斜面ごと崩落した際の緊急復旧費用や、近隣住民への補償は、この積立金の対象外なのです。
例えるなら、「引っ越し代は貯めてあるけれど、家が火事になったときの修理代も、隣の家への見舞金も一円も用意していない」という状態。
もし業者が倒産していれば、崩れ落ちたパネルと土砂を片付けるのは、誰の役目でしょうか?
② 土地の原状回復の不透明さ
次に、パネルを撤去した後の土地をどうするのか問題。
太陽光パネルの設置には強固なコンクリートの土台が必要です。
パネルをどかした後、この巨大なコンクリートの塊が地中に埋まったまま放置されれば、そこは二度と農地にも林地にも戻りません。
しかし、国の積立基準には、この、地中の基礎の完全撤去までが含まれていないケースが多いのです。
③ 責任の蒸発と行政代執行
もし業者が撤退し、所有者が不明になった場合。パネルが放置され、景観を害し、防災上の危険が高まったとき、最終的に動かなければならないのは、地元の自治体です。
いわゆる「行政代執行」による強制撤去ですが、その費用は数千万、規模によっては数億円にのぼることもあります。
当然、その財源は我々が納めている税金です。
再エネの恩恵(売電収入)は業者が持ち去り、死に際の面倒だけを住民が押し付けられる。
そんな「不公平なデザート」を、僕たちの町が食べさせられるリスクがある、ということですね。
出口戦略を考える
最後に、これから取り組むべき「現実的な解」について語らせてください。
「太陽光なんて全部反対だ!」と叫ぶのは簡単です。でも、それではコトは前に進みません。
必要なのは、出口戦略をセットにした町づくりです。
現在の法律や制度は、どうしても「入り口(設置)」を増やすことに重きを置いてきましたが、私たち議員がやるべきことは、国の不完全なルールに丸投げせず、町の地形や地質、そして未来の景観に合わせた独自のルール作りの強化です。
具体的には、例えば、独自条例による規制の強化や、 事業実態リサーチ、情報公開の徹底などが重要になってくるでしょう。
「誰かがなんとかしてくれるだろう」という楽観論に沈むことなく、今ここにある太陽光パネルの「20年先の姿」を見据え、必要なら嫌われ役になってでも厳しい声を上げる。
それが、地域の美しい景観と安全な暮らしを守るための、現役世代の責任だと思います。
町の山肌に並ぶパネルを見てどんな未来を想像するか、その未来に子供たちの笑顔は映っているのか。
納得のいく町づくりをしていきたいものです。







