こんにちは、杉崎(@sugizaki_web)です。
先日、地域で事業を営む大規模農家さんから相談を受けて、あわやというところで高額な悪徳IT契約を阻止したんですけどね。
本当にギリギリのタイミングでしたが、契約書にハンコを押す前に止めることができて、ホッとした話を今日はしていきます。
その農家さんが結ばされそうになっていたのは、月額5万円ものセキュリティ機器のリース契約。
年間にすれば60万円、長期契約になれば数百万円にもなる異常な金額ですよね。業者の手口がまぁ巧妙で。
彼らの営業トークは「個人情報保護法が改正されたから、この装置をつけないとダメですよ」というもの。
さらに「もし、顧客情報が漏れたら多額の損害賠償を請求されて会社が潰れますよ」なんて言って、ITに詳しくない地方の事業者さんに対して法律の網を持ち出し、徹底的に不安を煽っていたんです。
知識がないことや恐怖心につけ込むなんて、本当に詐欺まがいのやり口で腹立たしいったらありゃしない。
ちなみに、どうやって契約を止めたのかというと……その場で業者に電話をかけて「どういうこと?詳しく説明してもらえますか?」と延々と問い詰めただけなんですけどね(笑)。
不安を煽る営業トークとセキュリティの真実
断言しますが、法律で「特定の高額なセキュリティ機器の導入」が義務付けられることなんてあり得ません。
そもそも、今のWindowsやMacに最初から入っている標準のセキュリティ機能って、すごく優秀に作られているんですよ。
通常の業務レベルなら、OSを常に最新の状態にアップデートして、標準機能をしっかり稼働させておくだけで十分。
月額5万円もする謎の機械を入れたところで、結局のところ従業員の方がフィッシングメールのURLをクリックしてしまったり、推測されやすいパスワードを使い回したりすれば、情報は簡単に漏れてしまいますからね。
情報漏洩の大半はヒューマンエラーが原因。
本当に必要なのは高額な機材を買うことじゃなくて、基本的な運用ルールを人間がしっかり守ることなんです。
今回の一件で、何よりもイラっとしたのは……地域事業者の利益が、言葉巧みな業者の口車で不当に奪われそうになったという事実。
毎月5万円のお金があれば、新しい設備への投資や一緒に働くスタッフの環境改善のためにどれだけのことができるか、って話じゃないですか。
「田舎の事業者はネットリテラシーが低いから簡単に騙せる」
そんな風に舐められて、地域の活力が外部に吸い取られていくような状況は、何としても防がないといけない。
もし、突然やってきた業者から「法律が変わった」「これを入れないと危ない」と契約を迫られても、その場での即決は絶対に避けて欲しいですね。
少しでも迷ったり不安に思ったりした時は、一度立ち止まって、身近な詳しい人や信頼できる人に相談してほしいと願っています。
民間だけでなく行政も陥る丸投げの病理
そして実はこれ、民間だけの話じゃなくて行政でも全く同じことが言えるんです。
自治体の予算、つまり皆さんが納めた税金が「得体の知れないコンサルタント」に吸い上げられている現状は、全国の自治体が抱える根深い病理。
地方創生やDXといった言葉を盾にして、実態の伴わない分厚いだけの報告書で数千万円を持っていってしまうケースも珍しくありません。
役場内にノウハウが全く蓄積されない完全丸投げのシステム構築をさせられて、その後も高額な保守費用を払い続ける……こんな事例、無数に存在しているんですよね。
だからこそ、高額なシステムやコンサルタントにお金を払う前に、まずは自分たちの脳内や組織内にリテラシーを育てること。
そして、今回みたいに「ちょっとこれ、おかしくない?」と気軽に相談できる「地域に根ざした信頼できるネットワーク」を構築することが何より大事だと思っています。
本当に必要なDXや地方創生って、都会からやってきたコンサルタントがポンと置いていくものじゃないはず。
地域の最前線で泥臭く働いてる方々の「ここをもっと楽にしたい」「こんな課題を解決したい」という生の声を拾い上げて、それに合った適切なサイズのITスキルを組み合わせていく。それこそが、本来のデジタル化の姿ですよね。
無知につけ込む悪質業者から、地域の産業を守るための防波堤になること。
そして、貴重な税金が実態のない「なんちゃってDX」に消えていくのをしっかり監視して是正していくこと。
今回のリース契約阻止の一件は、単に目の前の農家さんを救ったというだけでなく、これから地域全体で取り組むべき大きな課題を、改めて浮き彫りにしてくれたような気がしています。
「よく分からないから」と思考停止しないで、一度立ち止まって考え、声を上げる。
その小さな積み重ねが、いずれ地域全体の大きな防御力になって、真の意味での豊かな地域社会を創っていくんだと思いますね。






