こんにちは、杉崎(@sugizaki_web)です。
過疎地の自治体が抱える最大の弱点は、お金がないことでも人がいないことでもありません。
一番の弱点は、「自分たちの頭で考え、動ける人が育っていない」という点に尽きます。
『過疎ビジネス』という書籍をご存知でしょうか?
地方議員や行政に関わる人間にとっては、ホラー映画よりよっぽど怖い内容が書かれているので是非読んでほしいのですが、残念ながら、この本に書かれている内容はまさにその通りだよなと思います。
全国どこの自治体でも起こり得る話ですし、現在進行形でコンサルに喰いものにされている自治体もきっとあるはずです。
都会に喰われる地方
ざっくり『過疎ビジネス』で書かれている要点をまとめると以下の通り。
- 行政の乗っ取りスキームの露呈
コンサルや企業が「構想・計画・実行」をフルセットで代行し、実質的に自治体の意思決定権を支配している実態。 - 企業版ふるさと納税の還流(マネーロンダリング)
企業が自治体に寄付をし、その寄付金を原資にした事業を自社グループで受注する、公金の不適切な還流構造。 - 地方議会・職員への蔑視(雑魚扱い)
「地方の議員や職員は知識がなく、横文字の専門用語で丸め込める」という、都会のコンサル側の傲慢な本音と、それを見過ごす自治体側のチェック能力の欠如。 - 成果なき公金消費
数千万、数億円の予算が投じられながら、成果は「誰も読まない報告書」や「維持費だけかかるハコモノ」に終わり、地域には1円も利益が残らない構造。 - 思考の外部委託による行政の脳死
外部に丸投げし続けることで、自治体職員が自ら考え、改善する経営能力を失い、さらに依存を深める負のスパイラル。
まぁ酷いものですが、「食いものにされている」という悪いループを断ち切るには、行政も議員も、一人の経営者としての視点を取り戻すしかありません。
コンサルタントに「何をすればいいですか?」とお伺いを立てるのではなく、自分たちが描いたビジョンのために、彼らをどう「使い倒してやるか」という主導権を握り直すべきなんです。
コンサルへの丸投げやめろ
成果が出ない仕事に一円も払いたくないのは、当たり前の話ですよね。
でも今の地方創生ビジネスはどうでしょう。
成果が「誰も読まない数十ページの報告書」で終わっているケースが多すぎないでしょうか。
言い方はキツいですが、数千万円かけてゴミを買っているようなものです。
依存と自律の差はハッキリしていて、「何をすべきか」からコンサルに丸投げしてしまったら、業者が去った瞬間にその事業は消滅するのは自明の理。町には何のノウハウも残りません。
逆に、町がビジョンをしっかり描き、「この特定の技術だけが必要だ」と割り切って外注するなら、それは立派な戦略です。それなら、町の中にちゃんと運営のノウハウが蓄積されていきますから。
過疎ビジネスを狙うコンサルが一番嫌がる相手、それは「数字と論理に強くて、独立心がある自治体」です。
例えば彼らの提案に対して、
- その事業を行うことで10年後にはどれだけの純財源を生むのか?
- 住民サービスは具体的にどう向上するのか?
- もし目標が未達だったら、どのような対処法を考えているか?
を聞くだけで、適当な仕事で稼ごうとしている連中は「あ、この町はカモにできないな」と退散していくか、気を引き締めて仕事に邁進してくれるはずです。
「知」を町にストックする
個人的には、高額な委託料を外に垂れ流すくらいなら、そのお金で「専門性の高い人材」を町内か、それに近しい人を直接雇うべきと考えていますけどね。
外部に流れるはずだった数千万円を人件費に回せば、町の中に知恵だったり、事業構築スキーム、そして何より経験という財産が残り、次の世代に受け継がれていきますから。
公金が特定の企業やコンサルタントの打ち出の小槌として消費され、地方がどんどん痩せ細っていく現状はとてもじゃないですが看過できません。
行政はボランティアではありませんし、ましてや詐欺まがいの計画に名前を貸すための名貸し屋でもありません。
私たちは「社会を良くしたい」という純粋な想いを形にするための、ビジネスの武器を持つべきです。
数字を読み解き、不自然なお金の流れを見抜き、外部の傲慢な提案にハッキリと「No」と言える強さ。それこそが、底意地の悪いコンサルから町の財布を守り、プライドを取り戻す唯一の手段です。
私は、これからの地方政治家にはビジネス感覚が不可欠だと確信しています。
よく「政治とビジネスを同じ土俵で語るな」なんて声も聞きますが、それは大きな間違いです。
数字に責任を持たない、成果を曖昧にする、そんな甘えこそが外部の業者たちに付け入る隙を与えているんです。
経営者なら当たり前の投資対効果の視点を持つ議員が増えれば、議会の空気は変わるはず。
結局のところ、町を救う決定打を持っているのは、その町で生活する私たち自身です。
地方創生というお祭り騒ぎの狂騒曲は、いつか必ず終わります。その後に残るのが、スカスカになった町の財布と、他人に描かされた嘘の未来図であってはならないと思います。
「強く、賢く、自律した町」になるために何をすべきか、一にも二にもビジネスです。町内の稼ぐ力を強化しないといけないですね。
ビジネス感覚を議会に持ち込む。当たり前のことを当たり前にやることが大切です。






