こんにちは、杉崎(@sugizaki_web)です。
議員の発信を見ていると、
- 一般質問しました
- 委員会に出席しました
- 地域のために汗を流して参ります
みたいなものが本当多いですよね。
誰のためにその質問をしたのか、どんな答弁が返ってきたのか、それに対してどう思ったのか、次に何をするつもりなのか。
この辺りが知りたいのに、何も書かれていないのがほとんど。発信を目にして、有権者は何が受け取れるのか私は甚だ疑問です。
読み手を舐めてるのかな?と真剣に思いますよ。
読み手のことを何も考えてないじゃないですか。おかしいですよね。ただの日記・報告のような投稿なんて有権者は求めてるわけがないんです。
なのに、SNSを眺めてるとそういった議員の投稿を目にします。
なぜ無味無臭な投稿が増えるのか、理由は二つあると思っていて。
一つは前例踏襲。
先輩議員がそうやってきたから、それが正解だと思っているパターンですね。
議会という場所は、慣例と前例で動いている部分が大きく、発信の仕方も例外ではありません。
先輩が「一般質問しました」と書いていた。だから自分もそう書く。それが議員としての正しい振る舞いだと、疑いなく信じている。「みんなそうしてるから」といった理由ですね。
もう一つはリスク回避。
下手なことを書いて周囲からツッコミを受けたくないというパターン。
特に「自分の発言が議会全体の品位を傷つけるかもしれない」という意識が強い議員ほど、黙ることを選ぶ傾向が強いと感じます。
議会は合議体であり、一人の議員の発言が、議会全体のイメージに影響することもある。ゆえに、その責任感から口をつぐむわけです。
いずれの理由も、理解はできますし、そうしたくなる議員の気持ちもわからんでもないです。
議会で何か実績を残そうとするなら、一人で騒いでも何も実現しませんからね。
仲間を作って、数を動かして、初めて政策が実現するので、議会という場所を大事にする姿勢は、なんら間違っていません。
ただですよ、「議会を大事にすること」と「有権者に黙っていること」は、本当にイコールなのかという問いは自らに立てるべきですよね。
リスク回避の思考が最大の危機を育てている
議員になって有権者の方から
- 議会が何をしているのかさっぱり分からない
- 何のために議員をしているのか、自分の意見や言葉はないのか
- 緊張感をもって政治を進めてほしい
という言葉をよく耳にします。
おっしゃる通りで、なんら波風の立たない議会は、町民の心に無関心を生むきっかけになります。
議会が「特に気にするものでもないもの」になっていくのは恐ろしいことで、これは現在の地方選挙の投票率の数字にはっきり表れてます。
総務省の調査によると、統一地方選挙の平均投票率は1960年代には軒並み70%を超えていましたが、2023年の町村議会議員選挙では55.49%という過去最低の数字まで低下してますしね。
さらに深刻なのは、無投票当選の増加。
2023年の統一地方選挙では、町村議会議員選挙の全議席の実に30.3%が無投票で決まっています。
つまり、全国1,700超の地方自治体の約三割の議席で、選挙戦すら行われていないという事実がある。
有権者が議会に無関心になっていることの何よりの証左だと思います。
なり手がいなくなっていることも突然起きたことではないんです。長年にわたって積み重なった無関心の結果なんです。
沈黙が議会を守ると思っている議員が、実は議会への無関心を一番育てているのかもしれません。
発信をせず基本的に黙っている
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黙るから有権者には届かない
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届かないから議会への関心が薄れる
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関心が薄れるから投票率が下がる
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投票率が下がるから議員のなり手もいなくなる
リスク回避も同じで、最悪の結果を招いていると思います。
波風を立てたくないから何も言わない
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何も言わないから誰にも認識されない
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認識されないから票にならない
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票にならないから選挙で苦労する
リスクを避けようとした結果が、最大のリスクを誕生させてますよね。でも本人は気づいていなかったりして、ちょっと笑えない状況です。
選挙で苦戦したとしても「今回は風が悪かった」「相手の組織が強かった」となる。発信しなかったからとは、おそらく思わないでしょう。
有権者に届く言葉を発信しよう
じゃあどうすればいいのか。
発信する。それだけです。
ただ単なる報告ではなく、中身のある発信をしないとならんですよ。
例えば『一般質問をした』のなら、何を質問したのか。なぜその問題を取り上げたのか。行政はどう答えたのか。自分はその答弁をどう評価しているのか。次に何をするつもりなのか。それを書くということ。
「高齢者の移動手段について一般質問しました」ではなく、「75歳以上の免許返納者が町内に約300人いるにもかかわらず、代替の移動手段が整備されていない現状を問題提起しました。行政の答弁は『検討する』にとどまりましたが、来年度予算に向けて具体的な提案を続けます」と書く。
無論発信としては全然甘いですが、せめてこれくらいは書きましょう。
読んだ人の手元に何かが残る。この議員が何を考えているのか、何のために動いているのか、伝わる。せめて、そのような投稿を心がけてください。
発信すれば有権者からの信頼が上がります。これは間違いありません。
そして、信頼が上がれば支持基盤が強くなるし、支持基盤が強くなれば議会内での発言力も自然と上がる。
発言力が上がれば、同じ問題意識を持つ仲間も集まりやすくなりますから。
「あの人が言うなら話を聞こう」と思われる議員は、地域での信頼が厚い議員で、その信頼は黙っていては絶対に生まれません。
議会を本当に動かしたいなら、政策を実現したいなら、まず有権者に届く言葉を持つことです。それが結果として、議会を強くする。
地方議会に対する信頼度についての調査では、住民が議員に求めることの上位に「活動内容をわかりやすく伝えること」が一貫して挙がっています。
有権者は最初から無関心なんじゃないんです。自分たちの元に何も届く言葉がないから、関心の持ちようがないだけなんですよ。







